しべちゃコラム

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標茶町で大自然を感じるホーストレッキング! 〈前編:Heart Ranch〉

2026.01.18

標茶町で大自然を感じるホーストレッキング! 〈前編:Heart Ranch〉

  • カメラマン/ライター:崎 一馬

本州からの移住者が楽しむしべちゃ旅-その2-

前回の、「湿原の空気を感じながら漕ぐひととき。標茶・塘路湖のカヌー体験」から引き続き、しべちゃ旅として、ホーストレッキングの体験へ向かいました。
今回は、Heart Ranchさんへお邪魔しました。

PEOPLE

カメラマン:崎 一馬

1996年大阪府出身。2021年に釧路市へ移住。同年よりカメラマンとして釧路・道東を拠点に活動をスタート。 家族写真・記念写真撮影、Web記事やHP用素材のほか、ドローンを活用した撮影なども。 生粋のクルマ・ドライブ好き。

風景を味わいながら、標茶へ

釧路市内から車でおよそ30分。

車を走らせていると、標茶町に近づくにつれてなだらかな丘と広い牧草地が目に入ってきます。ドライブが好きな私はプライベートでもよくこの町を訪れるのですが、来るたびに思うのは、標茶町の景色はどこまでも穏やかで優しいということ。

緑の丘が続く道を窓を開けて走るのが何より心地いいのです。

広がる牧草地に目をやると、北海道らしく放牧された牛たちの姿があちこちに見えます。ただ、この標茶町では、もうひとつよく見かける動物がいます。

それが「馬」です。実は標茶町は、馬の生産も盛んな地域。
「馬に乗りながらこの雄大な自然を感じたい」という夢を持っている方も多いはず。

今回はそんな想いを叶える乗馬体験ができるという「Heart Ranch」と「どさんこRanch」の2つの牧場を訪ねてみました。

馬が自由に走る美しい風景「Heart Ranch」に到着

国道から道道そしてさらに細い道を進んで見えてきたのは、緑と空の青の風景が美しい約15万坪もあるという広大な牧場敷地。ここが1つ目の牧場「Heart Ranch (ハートランチ牧場)」です。

青い大きなD型ハウスの奥にはおしゃれで開放的な空間が魅力的なカフェ棟が。そのカフェからは広大な牧場の敷地とそのなかでのんびりと自由に走る、牧草を食べる馬たちを眺めることができます。

迎えてくれたのは、Heart Ranch代表の達川梨花さん。
そしていつもトレッキングに参加するというアメリカンクォーターホースの「アイちゃん」も出迎えてくれました。

獣医学部を卒業後、ニューヨークでの留学や海外企業でのシンガポール勤務、そして東京での勤務を経て、父から「一緒に馬の牧場をやらないか」と誘われたことがきっかけで標茶町へ移住したという達川さん。

手つかずの自然と涼冷な気候が残るこの土地は、馬と人にとって理想的な環境だと感じました。

初めて訪れた標茶の風景に感動し、この地で牧場を立ち上げることを決めたといいます。
そんな手付かずの自然が残る場所でのホーストレッキング。すでにワクワクです。

やはり馬を横にするとかわいくそして優しい瞳に癒されるものの、その体の大きさには少し大丈夫かな…という不安も感じます。

ハートランチのホーストレッキングでは、スタッフが馬を綱で引いて巡る「引き馬」スタイルではなく、自分で馬を手綱で操るスタイル。乗馬が初めてという初心者でも安心して参加できるよう、まずは馬との接し方や乗り方を丁寧にレクチャーしてくれます。

その後、いざトレッキング開始です。
牧場内には2つのコースが整備されており、それぞれのレベルや目的に合わせて選ぶことができます。

●お散歩コース(約45分)
広い放牧地をゆっくりと歩く、初心者向けの外乗コースです。馬とゆっくり呼吸を合わせながら、自然との一体感を味わうことができます。
●高台コース(約90分)
牧場裏の森を抜けた先に広がる広大な丘を目指すコース。そこで見えるのは360度のパノラマビュー
風の音と馬の足音だけが響く、静かで特別な時間を過ごせます。

今回は「高台コース」へと向かうことに。

澄んだ空気の中を、馬とともに

まずは牧場裏手の森へ。かつて木を切り出し、馬で運んでいた林道を、手つかずの自然に包まれながらゆったりと進んでいきます。のんびりに見えるけど馬の踏ん張りと推進力には驚きます。坂や少し段差があるような場所もぐんぐん進んでくれます。

この日は快晴で、秋らしい風が吹く絶好のトレッキング日和。木漏れ日と木々の隙間から流れる風がとても気持ちがいい。そんななかを馬と一緒に歩いていく。なんとも贅沢で心が安らぐ時間です。

この林道を抜けた先に、広大なパノラマ絶景があると思うととても楽しみです。

スタートして約30分ほどしたところで、林道を抜けて開けた場所に出ます。360度のパノラマ絶景まであと少し。もうすでに気持ちがいい。

5分ほど、斜面に沿って登った先がパノラマビューポイント!

穏やかな稜線が続く見渡す限りの北海道らしいパノラマビュー。この中を自由に馬と一緒に過ごせるなんて、夢のような気持ちです。

まさに秋晴れという空と緑のコントラスト、そしてその奥には噴煙を上げる雌阿寒岳の姿もはっきりと見えました。写真には写っていないですが、弟子屈エリアの山々そして斜里岳も見ることができます。

ふと振り返ると見慣れない形をした建物が一軒。聞くと、新たにここにトレーラーハウスまで完成させたとのこと。馬との時間を過ごしたあとに、この風景と空気を全て独り占めできるなんて、羨ましいの言葉以外見つかりません。

「今日本当に気持ちがいいですね!」
馬に乗る達川さんたちもとても嬉しそう。秋晴れの牧草地をゆったり思いのままに馬と歩いていました。普段の体験時には、一旦馬をおりて、ウッドデッキでお菓子とドリンクを楽しみながらこの風景を堪能する時間も設けられるそうです。
なんとも終わってほしくない終わりたくない優雅で穏やかな時間と空気がこの丘に流れていました。

ハートランチの運営母体でもある、達川さん自身が設立した「Meta Farm株式会社」では主にクォーターホースの生産・育成を行っているそう。生産が主である牧場で、トレッキング・宿泊といった観光事業に手を広げる理由と思いを聞いてみました。

農業は“生産する”だけでなく、“伝えること”にも意味があると思っているんです。
標茶はもともと軍用馬補充部があった地域で、馬と深い歴史の繋がりがあります。今や少なくなりましたが、家には数頭の馬がいたりと、農家さんと馬が共に暮らしを営んでいた地域なんですよね。

そういった歴史や文化、そして地域の自然を観光や体験を通じて伝えていきたいと思っています。Meta Farmという名前も接頭語の『メタ』(変化”や“新しい意味を与える”)と『ファーム』(農業)が由来で「新しい農業を体現していく」という意味を込めて社名にしています。

カフェ棟そしてトレーラーハウスと観光・体験へより一層力を入れる達川さん。最後に楽しみな情報を話してくれました。

実は今、3本目のトレッキングコースを開発中なんです。地域の方から教えてもらったんですけど、さっきの裏山にかつての”旧道”の跡が残っていて。それが塘路湖まで続いているらしいんですよね。なのでここから塘路湖まで向かうロングトレッキングコースができたらと今、開発を進めています。これは結構楽しいと思いますよ!

おわりに

馬との交流を通じて、地域の歴史や文化を知ってもらう、そして自然を守っていく。そんな新しい農業の形を体現していく達川さん。私も標茶町と馬の歴史をもっと深く知りたくなりました。
3本目のルート開発もとても楽しみです!
完成したら私もまた体験しに行きたいと思います。最新情報を要チェックです!

Heart Ranch の丘を後にして、もう一つのホーストレッキング体験へ。
次に訪れたのは、森の中に佇む「どさんこRanch」。ぜひ後編の記事もご覧ください!

後編はこちら:標茶町で大自然を感じるホーストレッキング! 〈後編:どさんこRanch〉

INFOMATION

Heart Ranch

(所在地)北海道川上郡標茶町阿歴内原野北1線128-4
(営業時間)9:00~17:00(年中無休)
(E-mail)contact@heartranch.jp
(TEL)0154-87-2121