しべちゃコラム
標茶をもっと楽しむためのページ「しべちゃコラム」。
おすすめのお店や観光ルートなど、ちょっと気になる話題をお届けします。
旅の前に、ちょっと寄り道。いろんな視点のコラムで魅力をのぞいてみませんか?
次の目的地はどさんこRanchさん
標茶町に広がる牧草地に目をやると、北海道らしく放牧された牛たちの姿があちこちに見えます。ただ、この標茶町では、もうひとつよく見かける動物が。
それが「馬」です。実は標茶町は、馬の生産も盛んな地域!
「馬に乗りながらこの雄大な自然を感じたい」という夢を持っている方も多いはず。
今回はそんな想いを叶える乗馬体験ができるという「Heart Ranch」と「どさんこRanch」の2つの牧場を訪ねてみました。
前編はこちら:標茶町で大自然を感じるホーストレッキング! 〈前編:Heart Ranch〉
PEOPLE
カメラマン:崎 一馬
1996年大阪府出身。2021年に釧路市へ移住。同年よりカメラマンとして釧路・道東を拠点に活動をスタート。 家族写真・記念写真撮影、Web記事やHP用素材のほか、ドローンを活用した撮影なども。 生粋のクルマ・ドライブ好き。
静かな森の中の牧場「どさんこRanch」へ

Heart Ranchから車で30分少々。続いてやってきたのは、「どさんこRanch」さん!
標茶町から弟子屈町へ続く国道391号の道沿いにあります。
(大きい看板はなく、のぼりと台車と小さな赤いポストが目印!)

先ほどのHeart Ranchさんとは違って”森の中”に広がる牧場。広大な草原の中の馬も優雅で美しいけれど、木々に囲まれたなかで過ごす馬たちの姿もまた素敵です。
「どさんこRanch」は、名前の通り北海道和種である「どさんこ」の生産・育成を行う牧場。
そのなかで”どさんこ”とともに森のなかを歩くホーストレッキングツアーも体験することができます。

どさんこRanchを案内してくれたのは代表の小濵真人さん。
聞くと “どさんこ”に惚れ込みこの牧場の開業を決めたそう。
本当に賢い馬なんですよ。教えたことをすぐ覚えるんです。覚えすぎて、ここに来れば仕事が終わるという場所があるとしたら、その場所を覚えて自ら向かっちゃうくらいです。
サラブレッドも触ったけど、やっぱりどさんこは違う。賢くて、まっすぐで、気難しいけど一度信頼関係が生まれたら絶対に裏切らない。なんというか日本犬に近い気質なのかな。僕はそこにすごく惹かれて、それで”この馬たちと生きていこう”って決めましたね。

そんな小濵さんが惚れ込んだという “どさんこ”とともに歩くホーストレッキングツアーはどんな内容なのか。問いかけてみると「じゃあ、コースを歩いてみますか」と早速案内してくれました。
引き馬メニューとか、乗馬教室とかいろんなメニューがあるんですけど、一番メインなものは今から行く”釧路川沿い乗馬”ですね。この森をずっと歩いていくと釧路川に出るんです。そこを目的地に乗馬で向かっていきます。
川のせせらぎを聴きながら乗馬体験

“釧路川沿い乗馬”は牧場を出発して、森の中の道を乗馬しながら歩き、釧路川を目指すという約60分のコースメニュー。
最初はひたすら森の中の一本道を進んでいきます。今回は馬たちと一緒に歩くことができませんでしたが、本来であればこの道を”どさんこ”とともに歩いていく。まるで、どさんこが活躍していた開拓当時の世界に迷い込んだ気持ちになります。木材をどさんこと人が一体となって運んでいた風景はまさにこのような世界だったのかもしれません。
歩き始めて15分ほどしたところで、
「もうすぐですね。僕のお気に入りの場所があるのでそこに向かいましょう」と小濵さん。
すると、川のせせらぎの音が聞こえてきました。
目的地の釧路川沿いに到着です。

ここで馬を一旦降りて休憩の時間を取ります。僕はこの場所が好きなんですよね。
森の間を縫うように流れる釧路川。若葉の春、緑豊かな夏、そして紅葉の秋、雪と氷の世界に包まれる冬。シーズンによってはマスの遡上などもみられるそう。春夏秋冬違った表情を見せるこの川の風景と馬たちを眺める贅沢な時間は心がどこかすっと落ち着く、そんな感覚を取材中も感じました。
おすすめはぜひ、冬に来てほしいですね。
雪の世界をトレッキングするのもそうなんだけど、やっぱり馬が馬らしい姿になる。和種馬が”生きる”季節だと思っています。
毛がもこもこになって。本州などの馬はどさんこほどもこもこにならないんですよ。
馬の姿も含めて冬に来てほしいなって思っています。

牧場に戻った後、小濵さんがこの牧場そして乗馬で大切にしていることをお話ししてくださいました。
一貫して大切にしていることがあって。乗馬体験って”どう馬を動かすか操るか”を教えるものになりがちなんですけど、僕は”相手を感じる時間”にしたいんです。人間が馬をみているようですけど、馬の方がよっぽど僕たちを見ている。
乗馬は”馬が僕に付き合ってもらう”時間なんですよね。馬にどうやって僕を意識させるか、信頼関係を築くか。それが本来の乗馬だと思っています。
定期的に標茶や近隣の小学校の授業の一環として乗馬体験を受け入れたりもしているそう。体験した全ての人に伝えたいのは「”言うことを聞かせる”ではなく”相手の気持ちを感じる”」こと。
小濵さんと馬たちの様子を見ていると、いかに両者の間で深い信頼関係が築かれているかを感じられるそんな表情を見ることができました。

ホーストレッキングを体験して
北海道の雄大な自然を、馬とともに体で感じる——。
Heart Ranchでは丘を見渡すパノラマを、どさんこRanchでは森と川を。そして馬と人との関係性・信頼関係を「乗馬」という体験の中で築いていく。
ホーストレッキングは単なるアクティビティではなく、この土地の歴史と文化、そして相手の気持ちを受け取ることを学ぶ時間でもあることを知ることができました。
標茶の大自然の中で、ぜひ馬たちと一緒に他では体験できない時間を過ごしてみてくださいね。きっとそれぞれの中で「学び」を得られるそんな有意義な時間となるはずです。
INFOMATION
どさんこ Ranch
(所在地)北海道川上郡標茶町栄5-3
(営業時間)9:00〜17:00
(定休日)不定休
(E-mail)dosanko.ranch@gmail.com
(TEL)015-486-9502